この「ワルツ 変イ長調 第15番」はブラームスのピアノ曲のなかでも特に演奏会や録音に取り上げられることが多い曲です。
シンプルな構成と覚えやすいメロディーが多くの人に好まれているようです。
まず3小節目、(00:04~)右手の音の選び方に注目です。
Ⅳの和音(コードネームD♭)の構成音を保続したまま、丸でかこんだメロディーが下降しています。
これによって、Ⅳ度のおおきな枠組みを崩すことなく、6度・7度・9度といった柔らかい音程を得ることができました。
音だけで確認するとごく普通に聴こえる所ですが、曲全体の角をとって滑らかにする隠れた工夫です。
14小節(00:41~)においても、曲のヤマ場からテーマに復帰するための「Ⅴ-Ⅰ」という強進行をスムーズに運ぶ手法がみられます。
水色の丸で囲った4度音程をクッションとして引き継いでいくことで、穏やかな着地が図られています。
パラシュートで着地するときに、ゆっくり迂回して衝撃をやわらげるのと似ていますね。
明るく可愛らしい曲調にブラームス独特の技巧が加わって、より優美さが高められている楽曲です。是非、鑑賞してみてください。
↓MIDIファイル
http://www5f.biglobe.ne.jp/~hps/classicMIDI/walzer39_15.MID
↓MP3ファイル(1.75MB)
http://add9.typepad.jp/net_sym/mp3/walzer39_15.mp3
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