日経産業新聞に、カシオ計算機会長・樫尾俊雄氏の「発明は必要の母」という連載がある。11月21日の記事には、1980年に発売したカシオトーンの開発秘話に加えて、現在は新しいデジタル楽譜を考案しているという話がのっていた。
今、作っているのは五線譜を使わないデジタルの楽譜。
楽譜に手を加えると音が変わる。
自分で適当に曲を作り、演奏したら楽譜が機械の中に入ってしまう。
そんな仕組みだ。
考えてみると現在の楽譜は、五線譜になった15世紀ごろからほとんど変わっていない。
戦後の現代音楽では、「複雑な構造や音響」を表現するために、いろいろな記譜法が考案されたが、誰でも使えるような易しいものは一つも存在しなかった。新しい未来の楽譜は、誰でも簡単に音楽を奏でられるような方向に進むのではないだろうか。
新しいテクノロジーで、感性と音楽とが直接結びつくような楽器がでてきたら、どんなに面白いだろうか。完成品を見るのが待ち遠しい。
【関連記事】
「ウダー」という楽器知ってますか?
図形画像をつかったウダー譜で、演奏ができる楽器の紹介記事
最近はまっている、定額制の音楽聴き放題サービス、「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」から楽曲をピックアップして紹介するコーナーです。
会員登録していなくても、15分間冒頭の30秒を無料試聴できるので、ぜひ訪れて聴いてみてください。(移動後、「選択曲を再生」をクリック)
「ヴェリー・ベスト・オブ・モーツァルト」から
モーツァルト:クラリネット五重奏曲 イ長調 第2楽章
Clarinet Quintet in A major, K. 581: II. Larghetto
クラリネットと弦楽器による、穏やかな旋律がきれいな曲。
中盤に何度も反復される上昇音形がとても印象的です。
↓このトラックの試聴ページ
http://ml.naxos.jp/?t=552112_10
「ケンプ:イタリア組曲/ピアノ・ソナタ/編曲集」から
BACH:Wachet auf! ruft uns die Stimme, BWV 645 (trans. W. Kempff)
バッハの器楽曲をピアノ編曲したもの。
冒頭の小さく推移するメロディーがいい。
↓このトラックの試聴ページ
http://ml.naxos.jp/?t=292704_09
16万曲の音楽ライブラリーが、月1890円で聴き放題のストリーミングサービス。「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」。会員登録をしていなくても、15分間の無料視聴が可能となっており。多くの人に未知の音楽に出会う機会を提供する音楽配信サイトになっています。私も先日登録し、使ってみました。
↓CDを選んだ画面。ここで好きなタイトルにチェックを入れて再生します。
まさに、自室が音楽図書館になったような感じです。
【ボタン操作ガイド】
■前に書いた記事
クラシック専門クラシック専門「ナクソス・ミュージック・ライブラリー」
【関連リンク】
クラシック音楽を身近なテーマで紹介している「ナクソス・デジタル・ジャパン」スタッフによるブログ。「ヒ・ミ・ツ♡の裏ノクターン♪」も要チェック。
MySpaceが音楽業界に参入する。今日(米国時間9/1)の発表によれば、Myspaceは300万近い(レコード会社などと)未契約のバンドに直接ユーザーに対し楽曲を販売させるという。
この動きで着目するべきなのは、レコード会社と未契約のバンドをターゲットとしているところだろう。
彼らには、自身の著作権の管理を手放していないことによる身軽さと、音源を制作するためのコストも自分たちで負担しているという点で、MySpaceにとって大きな魅力がある。
アーティストにとっても、版権を自分の手に保有したまま収益を得るチャンスが得られるのならば、自分の作品という大切な資産をレコード会社や、著作権管理組織に預けるという必要性はなくなってくるのではないだろうか?
メディア配信サービスの課題ついては、いつも著作権保護という点から問題提起されることが多いが、それはコンテンツを収益化する手段を既に持っている人が、その効果を確保する必要があり、過去の遺産を対象とするという性格からも、後ろ向きの議論になってしまいがちだ。
これから未来のコンテンツを創出するアーティストとユーザーが生まれてくるのだとしたら、彼らは、自分の感性と判断で、お互いの関係をゼロから構築することを学ばなければならないだろう。そして、その時期はもうすぐそこに来ているではないだろうか。
■前に書いたエントリー
海外SNS「MySpace」を覗いてみました
インターネットで音楽や、音声を手軽に配信するためのツールです。
flashで制作したmp3ファイルの再生プレーヤーを、誰でも簡単に自分のサイトに設置できるフォームを作りました。
これで作業は完了です。 使用の際の連絡等は、特に必要ありません。可能な方は、コメント欄などで、「このページで使っているよ!」と教えてください。
「共感覚者の驚くべき日常」という書籍に、「味に形を感じたり」「音を聴くと色光が見える」といった共感覚者についての研究があります。
これは、「活動的で火のような音楽」といった、私達が言葉によって表現する印象や比喩とは全く別のもの。
実際に光や色彩の塊が目の前に現れ、外から受ける刺激と同様の感覚が再起される人たちについての記述です。
これまで非科学的だという理由から、ほとんど研究されなかったテーマだとのことです。
この本は、「客観的に証明できるもの」だけを『科学的』と呼ぶ従来のものの見方にも疑問を投げかけていて、「主観的な経験や、直観的に理解していること」を丁寧に扱うことが、このような現象の本質に近づくためには必要との立場をとります。
この態度は、現代のテクノロジーや科学観が抱える矛盾や問題を克服するための指針としても重要で、とても面白い本だと思いました。
また、これらの現象にインスピレーションを受けた創作活動として、興味深いものが多数記載されていたので、これらの例を参考までに挙げておきます。
(実際の共感覚体験と、意図的に音と色彩を共通のテーマとした創作とは、混同してはならないと強調されていることには注意が必要)
■自然科学的な主題としての関心からの取り組み
1704年、アイザック・ニュートンが音波の振動数とそれに対応する光の波長を等しくする数式を組み立てようとして苦心した。
1725年、視覚クラブサンという音と光で奏でる楽器が登場した。同様の装置はたくさんつくられている。
1810年、ゲーテが、「色彩論」で色覚とそのほかの感覚との対応について詳しく述べる。
■共感覚をもっていた芸術家による作品
1915年、作曲家スクリャービンが交響曲「プロメテウス」で、自身の共感覚を表現しようと試みる。色光をコントロールするキーボードや、光線をコンサートホールに放つなど。当時の技術では限定的な再現しかできず。
共感覚のある画家、カンディンスキーは、「コンポジション」「即興」と名づけた絵画で、音と色の調和関係を表現。
【関連】
「共感覚者の驚くべき日常」を書評しているページ
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000533.html
TechCrunchの「Amie Streetの新楽曲販売モデルは最高だ」 という記事に面白い楽曲配信のサイトが取材されていた。
ユーザは曲を無料で検索・閲覧し、(ストリーミングで)視聴することができる。ダウンロード価格は曲の需要に応じ、時間の経過とともに変動していく。
とある。これまでの楽曲販売は、曲の良し悪しや、人気に関係なくすべて同じ値段がつけられていたが、このサイトは反対の立場をとるようだ。
そしてもうひとつ。レコメンという、曲を推薦する権利も購入できるというのがこのサイトの大きな特徴となっている。
一度推薦してしまうと、あとはその曲の値段が上がるたびに自分の利用アカウントにクレジットが貯まっていくので、これがいい曲を発掘し人に薦めるインセンティブになる
ここまで読んで思い出したのが、以前見かけたこんな質問。
それは、「例えば、同じタイトルの一冊の本があるとして、倉庫に保管されている状態と書店に並んでいる状態ではどちらが価値が高いといえるだろうか?」というもの。
この場合、「倉庫にあるほうが人の手にも触れられていないし、綺麗だから価値が高い」というのは間違いで、「書店にあるほうが、購入される状態に近いから価値が高い」という解答だった。本の原価に、委託費や発送費がに含まれるのも同じ理由と考えることができるそうだ。
この話を、音楽配信にあてはめてみるとどうだろう。
楽曲を聴いた人が、評価したり、推薦したりするということは、「楽曲が購入されやすい状態に近づけるという試みに参画しているんだ」という見方はできないだろうか。
メディアコンテンツを発掘したり、適切に評価されるコミュニティを作っていくということが、コンテンツに価値を付加する重要な要素だということになれば、インセンティブとして利用者に還元されることも合理的な方向性に見えてくる。
今後、上記のような配信サイトの展開から目が離せなくなってくるだろう。
日経パソコンに、ワタリウム美術館で開催されている「さよなら ナム・ジュンパイク展」の記事。
彼は、卒業論文に十二音技法のシェーンベルグを選び、その後作曲を学んだ時期もあり、当初は音楽家を目指していたそうだ。
ナム・ジュンパイクは、現代のテクノロジーを、アートの表現手段として用いる手法を確立した、先駆けとなる人物のひとり。
ビデオディスプレイを、縦横に配置した映像作品は、いつ見ても「時空を超える」存在感に溢れている。
ワタリウム美術館 exhibition -さよなら ナム・ジュン・パイク-
期間は10月9日まで。
東京に行く機会があったら必ず見に行きたい。
はてなダイアリーの編集ページで、ウクレレのコードネームを
[uke:C Am F G C]
のように記述すると、コード進行とその押さえ方が画像で表示されるというものです。
これおもしろいじゃん!やってみたい。
実は今日、ウクレレを楽器屋さんで買ってきました。
早速、録音して日記上で公開。
↓こんな感じです。 (画像クリックで日記ページへ移動。mp3も聴けます)
【使い方のヘルプページ】
はてなダイアリーのヘルプ・ウクレレのコード譜を簡単に表示する(ウクレレ記法)
ピアノの鍵盤を、Major,minorのコード種類にドラッグアンドドロップすると、コードが演奏されるというバージョンです。
「Major」(メジャーコード)は、
外向的で、前に進むような肯定的な響き、
「minor」(マイナーコード)は、
ちょっとシリアスで、哀愁のある雰囲気です。
下のHTML文を貼り付けると、ホームページの素材として、好きな場所に表示させることができます。
<object width="125" height="125" type="application/x-shockwave-flash" data="http://r.websozai.jp/flash/minipiano/piano-chord.swf">
<param value="http://r.websozai.jp/flash/minipiano/piano-chord.swf" name="movie" />
</object>
「こんな機能を付けてみたら」とか、「表示を変えたほうが使いやすいよ」といったアイデアも募集中です。配色やデザインも不得手なので(単純にしてごまかし中)、アドバイスいただけるとありがたいです。
↓ベーシックバージョン「FLASH製ミニピアノ」の記事
http://add9.typepad.jp/net_sym/2006/05/flash_a201.html