クラシックの理論書を読むと、5度音程の連続はダメって書いてあるけど、
ロック音楽のギターリフはすべて5度の並行進行で出来ている。
どうして?と質問されたことがあります。
私も疑問を感じ、島岡譲(著)「和声の理論と実習1」を参照してみました。
以下のように書かれています。
『2声部の同時進行において、先行音程と後続音程とが共に5度を形成することを連続5度という連続5度は、後続音程が完全5度の場合に禁ぜられる。』(後ろが減5度は良。)
そして、これらの進行は「不良」であると書かれています。
↓譜例のMIDIファイル、聴いてみてください。確かに、響きが乾いていて無表情に聴こえます。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~hps/classicMIDI/rennzoku5.MID
そもそも、和声学は、ソプラノ・アルト・テノール・バスという合唱における4つの声部をなめらかに、かつ、豊かに響かせるために定められた原則です。
連続5度のような禁則と呼ばれる進行は、中世の音楽家にとって調和を損なうものと考えられたのでしょう。
しかし、作曲家たちは、このルールに常に厳格だったわけではなく、
バッハ、モーツァルト、シューマンらの作品には例外的な反則が見られるとのこと。
作曲家たちは5度の連続の音色について、次第に「悪くない」と考え出したようです。
近代以降にはこのルールを真っ向から否定する作曲家が続々とあらわれました。
参考:松平頼則「近代和声学」 音楽の友社
これら、「不良」とされていた連続和音による反抗が、ジャズやロックといった「不良」の音楽語法とどうつながっていくのか、それは、また後日。
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