フランスの作曲家、クロード・ドビュッシー(1862~1918)が、ピアノ作品集
「プレリュード第1集」を発表したのが1910年。
その1曲目に「デルフの舞姫たち(Danseuses de Delphes)」は
収められています。
デルファイの神殿の荘厳さをあらわすかのように、
冒頭の和音は複雑な響きをしています。
青で囲った右手の和音に、増5度が混じりながら上昇し、
緑の左手の下降との関係のなかで更に曖昧な音程を
2段階で作っています。
そして、印象主義らしい並行和音が聴けるのが5、6小節目。
次々と和音の色彩が変化しています。
ここでは、ごく普通のドミナント進行も使われているのですが、
曲の流れのなかでは、すべて新鮮なヴィジョンがあたえられているように聴こえてしまうのが不思議です。
円熟期の作品にあたるこの前奏曲集には、「印象主義の技法を駆使した曲集」という言葉ではくくりきれない、ドビュッシーの個性が発揮された曲がたくさんあります。
コントロールされた簡潔さと大胆さ。
聴いてビックリ、譜面見てビックリという曲がまだまだあるので
紹介していきたいと思います。
↓MIDIファイル
http://www5f.biglobe.ne.jp/~hps/classicMIDI/delphes.MID
↓MP3ファイル
http://add9.typepad.jp/net_sym/mp3/delphes.mp3
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