TechCrunchの「Amie Streetの新楽曲販売モデルは最高だ」 という記事に面白い楽曲配信のサイトが取材されていた。
ユーザは曲を無料で検索・閲覧し、(ストリーミングで)視聴することができる。ダウンロード価格は曲の需要に応じ、時間の経過とともに変動していく。
とある。これまでの楽曲販売は、曲の良し悪しや、人気に関係なくすべて同じ値段がつけられていたが、このサイトは反対の立場をとるようだ。
そしてもうひとつ。レコメンという、曲を推薦する権利も購入できるというのがこのサイトの大きな特徴となっている。
一度推薦してしまうと、あとはその曲の値段が上がるたびに自分の利用アカウントにクレジットが貯まっていくので、これがいい曲を発掘し人に薦めるインセンティブになる
ここまで読んで思い出したのが、以前見かけたこんな質問。
それは、「例えば、同じタイトルの一冊の本があるとして、倉庫に保管されている状態と書店に並んでいる状態ではどちらが価値が高いといえるだろうか?」というもの。
この場合、「倉庫にあるほうが人の手にも触れられていないし、綺麗だから価値が高い」というのは間違いで、「書店にあるほうが、購入される状態に近いから価値が高い」という解答だった。本の原価に、委託費や発送費がに含まれるのも同じ理由と考えることができるそうだ。
この話を、音楽配信にあてはめてみるとどうだろう。
楽曲を聴いた人が、評価したり、推薦したりするということは、「楽曲が購入されやすい状態に近づけるという試みに参画しているんだ」という見方はできないだろうか。
メディアコンテンツを発掘したり、適切に評価されるコミュニティを作っていくということが、コンテンツに価値を付加する重要な要素だということになれば、インセンティブとして利用者に還元されることも合理的な方向性に見えてくる。
今後、上記のような配信サイトの展開から目が離せなくなってくるだろう。
最近のコメント